個人再生を勧める弁護士事務所のテキスト
こちらは、弁護士事務所のサイトのテキストです。個人再生の説明を中心に書きました。トップページから、個人再生の内容や特徴についての説明、Q&A、個人再生利用者の実例など、内容は多岐にわたりました。
こちらでは、その一部を掲載いたします。
トップページ
個人の力ではどうにもならない借金を抱え、過酷な取り立てに合う。
長引く不況によって、多額の債務を負い、会社を立て直すことができない。
払いきれない借金を抱えながらの毎日は、光のないトンネルの中を、手探りで歩いているようなものです。
私たちの社会には、多重債務の問題を誰にも相談できず、一人で苦しんでいる方がたくさんいます。
年間3万人を超える自殺の約4分の1は、借金などの経済苦を理由にしたものだといいます。
命を絶たないまでも、理不尽な自らの運命を呪った挙句の犯罪、夜逃げなどが後を絶ちません。
しかし、多額の債務に苦しむ方にまず、申し上げたいのは、
「解決できない借金はない」
ということです。
法的な手続きを踏めば、借金の問題は、必ず解決します。
そしてその結果、あなたの人生、あなたの会社は、前へと動き出すのです。
法的手続きの中でも、とくに「民事再生」では、あなたの債務を大幅に減らすことができます。
そして、自己破産のようにマイホームを手放すことなく、今ついている仕事を奪われることもなく、新たな再スタートを切ることができるのです。
社会は多重債務者に対し、とかく自己責任を問うてきますが、多重債務にいたる背景には国の無策による貧困、突然の病気、思いがけない連帯債務事故など、それを抱える個人に責任があるとは言えない要因が隠れていることが多くあります。
借金は、決してだらしのない一部の人間への「天罰」ではなく、誰にでも降りかかる恐れのある「天災」の側面があるのです。
たとえ自身のわがままによって借金を重ねた人であっても、その心を見つめなおし、再生を誓うならば、そこに許しとまだ見ぬ可能性があります。
まずは、勇気を出して弁護士に相談してみてください。
専門家は、必ずあなたにあった解決法を提示します。
その一歩が、大切なあなたの人生、大切なあなたの会社を立て直す大きなきっかけとなるのです。
個人再生についての様々な説明
・個人再生とは
もともと、資金繰りが悪化した法人を立て直すための法律である「民事再生」を、個人に向けて使いやすく整備したものが、「個人民事再生」です。(以下、個人再生)
自己破産のようにマイホームを失うことなく、かつ、任意整理よりも確実な方法として現在、多くの個人多重債務者に適用されています。
この個人再生といわれる手続きがどのようなものか、以下に解説します。
<個人再生ならマイホームを失わずに債務を大幅に減らせます>
自己破産では債務のすべてを手放すことができる代わりに、大切なマイホームも失ってしまいます。
しかし、個人再生では、住宅ローンを返すという条件でマイホームを維持し、債務を大幅にカットできます。
継続して安定した収入が見込まれることが適用の条件となりますが、それを満たす方は手続きを検討する価値があるといえるでしょう。
<債務カットの幅が大きく、確実です>
従来から行われている債務整理に、「任意整理」というものがあります。
この任意整理は、債権者と債務者の間の和解があってはじめて債務の減額が実現するもので、もし債権者に「イヤだ」と言われてしまえば、理想的な返済計画が立てられなくなってしまいます。
しかし、個人再生では、一定の条件(債務者の半数以上の反対、もしくは債権額の半分以上の反対がないこと)を満たせば、その返済計画はすべての債権者に及びます。
また、減額の幅も大きいので、返済はより楽になります。
<免責事由を問われない個人再生>
個人再生も、裁判所が介入する、法的強制力をもった手続きです。
よって、債務の減額は、免責という強い力をもって実現します。
この決定は債権者に一定程度の不利益を与えることから、当然、免責の事由が問われてしかるべきですが、個人再生の場合、その事由が問われません。
つまり、ギャンブルなどによって作られた借金であっても、免責の事由として認められるのです。
これは、自己破産とは大きく異なる点です。
自己破産の場合、ギャンブルなどの遊興によって作った借金の免責は認められないのがのが原則です。
個人再生は、「すべてを返すことはせずとも、一部をきちんと約束通り返済するならば、債務を大幅に免除しましょう」という、いわば許しの手続きなのです。
・個人再生をした場合の影響
個人再生によって債務が大幅に減ることはわかった。
では、今すぐにでも手続きを、といきたいところですが、このときに誰しも考えるのが、まわりの人への影響ではないでしょうか。
知人や職場に知られるのではないか。
家族に迷惑がかかるのではないか。
そういえば、この債務には保証人をたててしまった。どうなるのか・・・。
こちらでは、気になるその影響について記していきます
<職場や知人には知られたくない>
自分が多重の債務を抱えてしまったこと。そのために、破産は免れたものの、大幅な免責の手続きをしたこと。
こうした、本人の資質を誤解されてしまうかもしれない事実は、できれば第三者には知られたくないのが心情です。
しかし、個人再生では、自らが「私は免責しました」と言って歩かない限り、第三者にその事実を知られることはありません。
債務者は安心して今まで通りの社会生活を送ることができます。
<保証人はどうなってしまうのか>
今回は、支払が不能となった主債務者のすべての債務を負ってしまう「連帯保証人」への影響についてお話します。
個人再生では債務を大幅にカットしたのだし、その残債は主債務者である自分がしっかり払うのだから、当然保証人には何の影響もないだろう。
手続きの流れや性質から、ついそう考えてしまいがちですが、実はそうではありません。
主債務者であるあなたが決められた残債を支払うことが決まっても、カットされたはずの部分については、保証人に請求が行ってしまうのです。
たとえば、もともとの債が500万円あり、再生手続きによって100万円にまで債務が減額されたとしても、カットされたはずの400万円は、連帯保証人の債務となります。
保証人は自分にふりかかったその債務を支払わなければならず、それが困難な場合は保証人自身が破産や再生などの債務整理をすることになるのです。
ですから、連帯保証人になってくれた人に対しては、この事実をしっかりと説明する必要があります。
なお、連帯保証人が主債務者に代わって返済をした場合、そのお金を主債務者に請求することもできるのですが(求償権)、主債務者自身が個人再生をしているので、その求償権自体の金額も圧縮され、保証人は債務の一部しか取り戻すことができません。
このようなことから、保証人には事実を隠さず、誠意をもって対応すること求められます。
Q&A
Q:アルバイトやパート、派遣社員でも個人再生はできますか
A:はい。もしアルバイトや派遣社員であっても、その職場に継続的に勤務し、それによって生計を立てている事実があり、かつ今後も継続的、安定的に雇用が続いていくと見込まれる場合は、個人再生の手続きをすることができます。
Q:裁判所からすでに競売開始決定が来ていますが、今から個人再生手続きをして間に合いますか
A:はい、間に合います。
手続きの申し立てと同時に競売中止の申し立てを行えば、競売手続きの進行を止めることができます。
Q:個人再生でも過払い金の請求はできますか
A:はい、できます。
個人再生では、まず利息の引き直し計算で過払い金を計算し、最終的に算出された債務が減額の対象となります。
語句説明(簡単な語句説明だけでなく、その語句についての具体的な説明を書くことを求められました)
・ リ・スケジュール (り・すけじゅーる)
リスケジュールとは、債務の返済が困難になった場合、その期間を繰り延べ、月々の返済を減らす計画を、銀行などの債権者と話し合うことをいいます。略して「リスケ」と呼ばれています。
<リスケの交渉、実行は誠意をもって具体的に>
「もうこれ以上、支払ができない」
このような状況に陥ったときに選択する行動はいくつかあり、債務整理もそのうちのひとつですが、リ・スケジュール、略してリスケも、その選択肢としてあげられます。
具体的には、融資を行っている銀行に
・返済回数を増やすことで一回当たりの返済額を減額してもらう
・一定期間、金利のみの支払いをみとめてもらう
ことなどを交渉します。
住宅ローンの支払いが困難になった買主や、資金繰りの悪化した企業がこのリスケを利用し、家計の安定や資金繰りの改善を図ることになります。
しかし、このリスケは
「すいません、ちょっと支払いが苦しくなったので、返済条件を変えてください」
「はい、わかりました~」
といった簡単なものではありません。
リスケは、資金繰りや家計が悪化しているという事実を金融機関に認知させる行為であり、金融機関にとっては、リスケを行わなければならないような融資先は不安材料になります。
よってリスケの交渉は誠意をもって行うことはもちろん、リスケをしたことによる改善の見通しを具体的に示さなければなりません。
・連帯債務 (れんたいさいむ)
連帯債務とは、複数の人が一つの債務を連帯して負うことをいいます。
その中の一人がすべての弁済を行えば、他の債務者は債務を免れることができます。
<連帯債務と連帯保証>
連帯債務という言葉からわかるように、これは、ひとつの債務に対し、複数人が連帯しあて債務を負うことをいいます。
たとえば500万円の債務があったとして、その債務の全額についてAとB、二人が同じように同じ立場で返済の義務を負うということです。
よって債権者は、債務500万円の限度の中で、Aに500万円を返してくれと言えますし、Bにも500万円返してくれと言えます。
この連帯債務は、住宅ローンの契約に適用されることが多く、経済力の弱い買主にとっても、選択肢のひとつとなります。
この場合、銀行に複数人の資力を担保させることで、借り入れを可能としているのです。
一方、連帯債務に似た言葉に、連帯保証があります。
これは、主債務者が返済不能となってはじめて、その債務のすべてが保証人に降りかかるという性質のものです。
よってこちらのほうが、連帯債務より担保の力は若干弱いものとなります。
(ただし、連帯保証人は、主債務者の債務不履行により、債務の全額を支払う義務を負うので、その責任はとても重いものです)
つまり連帯債務は
「一緒にこの債務を負担しましょうね」
というもので、連帯保証は
「私が返せなくなったら、あとはすべての債務を負ってね」
という性質のものと言えます。